【文章】
都市と農村の関係は、長い間「中心と周辺」という非対称な図式で語られてきた。都市が経済・文化・情報の発信源であり、農村はその受け手という構図である。しかし近年、この図式を問い直す動きが各地で起きている。
関係人口という概念がその一例だ。定住もせず観光客でもない、地域と継続的に関わる人々を指すこの言葉は、都市住民が農村に何かを「与える」のではなく、相互に価値を交換する関係を示唆している。農村は都市に対して食料や自然環境を提供し、都市住民は農村に労働力や消費をもたらす。どちらが中心でどちらが周辺かという問い自体が、もはや有効ではないかもしれない。
もっとも、こうした理念的な転換が実態を伴うかどうかは慎重に見極める必要がある。関係人口の増加が謳われる一方で、農村の人口減少や経済的困窮は依然として深刻である。言葉の刷新が現実の変革を保証するわけではないことを、忘れてはならない。
【設問】
筆者がこの文章で最も伝えたいことはどれか。
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