言語(語彙・読解)
★★★ 難しい
SPI GMAP
29 / 45 問
QUESTION #483
次の文章を読み、設問に答えよ。

【文章】
合理的経済人(ホモ・エコノミクス)という概念は、長らく経済学の基本的な人間モデルとして機能してきた。このモデルにおいて人間は、完全な情報をもとに自己の利益を最大化するよう、常に合理的な意思決定を行う存在とされる。

しかし、行動経済学の台頭はこのモデルに根本的な疑問を突きつけた。カーネマンとトヴェルスキーによる一連の研究は、人間が「損失回避性」や「現在バイアス」といった系統的な非合理性を持つことを実証した。たとえば、同額の利益よりも同額の損失に対してより強く反応するのは、合理的経済人モデルでは説明がつかない。

だからといって、合理的経済人モデルが完全に無用というわけではない。市場の価格形成や長期的なトレンド分析においては、依然として有効な予測ツールとして機能する局面がある。問題は、このモデルが万能であると過信されることにある。個人の意思決定や短期的行動の予測においては、行動経済学的なアプローチのほうがより精度の高い説明を提供できる可能性が高い。

【設問】
文章の内容として正しいものはどれか。
「正しいもの」を選ぶ問題では、各選択肢を文章の各段落と照合する。特に程度表現(「すべて」「常に」「完全に」)は強すぎる断言である場合が多く、誤答の典型パターン。
解説
第3段落に「合理的経済人モデルが完全に無用というわけではない」「市場の価格形成や長期的トレンド分析では有効」「個人の意思決定や短期的行動には行動経済学的アプローチのほうが精度が高い」とあり、両モデルに適用領域があるという筆者の立場が明確。 (A)「すべての経済分析において使用されなくなった」は誤り。「依然として有効な局面がある」と述べている。 (B)損失回避性は「合理的経済人モデルでは説明がつかない」と明記されている。 (D)カーネマンらは「系統的な非合理性」を実証した。これは(D)と正反対の内容。
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