【文章】
「働き方改革」の文脈でしばしば語られる「生産性向上」は、多くの場合、同じ時間でより多くのアウトプットを出すことと理解されている。しかし、この定義は経済学的な「生産性」の概念の一側面にすぎない。
経済学における生産性とは、投入(インプット)に対する産出(アウトプット)の比率である。インプットには労働時間だけでなく、資本・エネルギー・情報なども含まれる。したがって、労働時間を削減しながら同等のアウトプットを維持することも、この定義においては生産性の向上と見なされる。
さらに踏み込めば、「何をアウトプットとするか」という問いも重要だ。短期的な売上高や処理件数を最大化することが、顧客満足度や従業員のウェルビーイング、あるいは長期的なイノベーション能力の向上につながるとは限らない。生産性を単一の数値で測ろうとすること自体が、複雑な組織の実態を見誤らせる原因になりうる。
真に生産性を高めるためには、何をインプットとし何をアウトプットと定義するかを、組織の目的と照らし合わせて問い直すことが不可欠である。
【設問】
筆者がこの文章で主に批判しているのはどれか。
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