【文章】
組織変革の成否を左右する要因として、近年「ナラティブ(物語)」の力が注目されている。合理的な論拠やデータを提示するだけでは人々の行動を変えられないことは、多くの組織が経験することだ。それに対して、変革の必要性を人々が自分事として感じられるような物語を提供することで、抵抗が和らぎ、変化へのコミットメントが高まるという見方が広まっている。
しかしながら、ナラティブの活用には倫理的な問いが伴う。説得力のある物語は、時として事実の選択的な提示や感情への過度な訴えかけによって構築される。聴衆が感動した後に冷静に検証すると、物語の前提や因果関係に疑問が生じることもある。
リーダーシップ論の観点からは、ナラティブを意識的に設計する能力はコンピテンシーとして価値があるとされる。だが、それはウソをつく能力や人を操る能力と、紙一重である。その境界は、物語が事実と整合しているか、また聴衆の自律的な判断を促すか抑制するか、によって区分されるべきだろう。
【設問】
この文章で筆者が言いたいこととして最も適切なものはどれか。
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